金曜日・・・午前11時43分
梅雨もそろそろ終わりそうな、そんな蒸し暑い日だった
講義もなし・・・バイトもなし
家でのんびりと・・惰眠をむさぼる俺を
いつものメール着信音が現実へ引き戻す
もちろん・・・発信は
「珪、午後休講で休みになっちゃった
もし暇だったら、映画に行かない?
NGだったら友達誘うから気にしないでいいよ〜」
俺はすぐ・・・本文に「OK」だけ入力してメールを返した
昼寝も楽しいけれど・・・の誘いのほうがいいに決まってる
「それじゃ2時にはばたきシネマシティーね!
お昼、友達と食べてから行くから珪もなんか食べてからきてね〜」
「了解」と返信して・・・俺はベッドから抜け出した
本当は、昼飯も一緒のほうが・・・良いけれど
にも「付き合い」があるし、それを邪魔してはいけない・・・
案外・・・理解があるだろ
って言いながら・・・実は少し不服だったりする
まあ、それは「こっち」のこと
階下へ下り・・・・キッチンへ向かった
自動給湯のスイッチを入れる・・・
これで10分もすれば風呂がわく
冷蔵庫のドアを開け・・・一応は中を確認する
ツナフィリングのパックが4個
ミネラルウォーターのボトル
そして冷凍庫にパンが2切れ
男の一人暮らし
食うものはいつも何もないけれど
それでも、冷凍庫でがちがちになってたパンを
トースターへ放り込むくらいの事は出来る
そして、がいつも買ってきてくれるツナフィリングをはさめば
簡単にツナサンドが出来るというわけだ
トースターの中でパンの焼けた香りがする頃には
モカのための湯も沸いて
簡単な昼飯が出来上がった
といっても・・・俺にとっては朝飯で昼飯
ツナサンドを食い終わった俺は、そのまま風呂へ向かった
梅雨らしい湿度の中で・・・少しべたつく身体
シャワーを浴び、髪を洗う
そして俺は湯を張ったバスタブに身体を沈め・・・目を閉じた
と付き合い始めて1年と3ヶ月
初めは、気を使ったり遠慮したり・・・そんな日々を過ごした
だけど・・・今ではもう
言いたいことを言って・・・やりたいことを我慢せずやって
お互いに、一緒にいることが自然になった・・・と思う
「珪の髪、柔らかくて本当に好き」
がそう褒めてくれて・・・
俺は嫌いだったこの髪を認めるようになった
自分への嫌悪は・・・
と過ごすうちに、少しずつ薄らいでいった
バスタブの中での顔を思い浮かべるうちに・・・
男としての欲望が脳裏をかすめ、俺の身体が「正常な反応」を見せる
俺は二度頭を振り、熱い身体を湯から引き上げた
シャワーの温度をブルーにして・・・頭から水を浴びた
水は真っ直ぐに俺にぶつかっては弾けてゆく
梅雨時の水は少しぬるく感じた
俺は、曇った鏡に水をかけた
濡れた髪を両手でかき上げ・・・目の前の自分を見つめる
雫が・・・俺の身体を伝ってゆく
水は・・・火照った身体を冷やすことは出来なかった
午後1時47分
俺は、はばたきシネマシティーのエントランスにいた
サングラス越しに見渡す限り・・・の姿は無かった
おおかた友達と話し込んでいるんだろう
それにまだ、指定された時間前だ
そう思って俺は壁にもたれていた
そこへ・・・・
が・・・
next
Dream menu